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  • Yusuke Miyata

ラダックへの道。


バイクでラダックを訪れることのできる時期は限られている。

下界からラダックを繫ぐ道路が積雪のため閉ざされるからだ。

そうでなくとも突発的な土砂崩れなどで道は閉鎖されることもある。

毎年11月から12月には閉鎖、5月から6月には雪が取り除かれ道が開かれる。

一年に5ヶ月以上はラダックは陸路で訪れることのできない、つまりは「陸の孤島」にな

る。


開通はその年の状況によって様々で、何月何日なんて決定事項は存在せず(予想などの発表はあれど)、前日に突然、州のラジオやサイトで発表されたりする。

それらをチェックしなくても周辺の街にいるなら

明らかに街がザワつくのを肌で感じるはずだ。

野菜や卵はもちろん、オレの必需品のコーラやタバコ、

子供達の大好きなチョコレートやポテチ。

ホテルやガイドを営む人間には数ヶ月ぶりのまとまった観光客。

飢えに飢えた「陸の孤島」にそれらを満載したトラックや観光バスが一斉に出発する。

オレも毎度、その「第一陣」に混じってラダックに入るけど、

それは絶望的なピンチに駆けつけた援軍かのような歓迎を受ける。

それくらいその第一陣は待ち望まれた存在だってこと。

さて、前記事で紹介したように「バイクでラダックを走る」という目的だけならば、

季節を問わず飛行機でデリーやスリナガルからレーに飛びレンタルバイクを借りれば事足りる。

しかしひたすらに長い道のりを自走し、

様々な文化や数え切れないほどのドラマ。

そしてリアルなインドを通り抜けて辿り着いた

ラダックの感動はまるで別物だとオレは思う。

話が遠回りしたが、デリーなどの下界からバイクで天界ラダックに行き着こうとするならば、

その季節は限られ、道は大きく分けて2つになる。

カシミールを通過する通称スリナガル・ルートと、

ヒマーチャル・プラデシュ州を通過する通称マナリ・ルートだ。

バイク乗りであるオレ達は行きと帰りで両方の道を通ることができるが、

どちらから入るかという意味でここではそれぞれの道を比較した

メリット・デメリットをざっくり紹介する。

スリナガル・ルート

・高山病予防(ゆっくりと高度が上がる)

・距離が長い(デリーから1300km以上)

・美しき水上都市スリナガル

・政情不安 (みんな言うけど最近は大丈夫っぽい。責任は取れない)

・マナリより早く道が開く(1ヶ月くらい早い)

・カシミール料理(肉料理。美味い。奥深い。)

・釣り(ダル湖など。釣り好きにはたまらない。)

・氷の回廊(開通初期のワリ・ラ峠は立山みたいな雪の回廊になってる。)

・酒は売ってない(イスラムの戒律により)

マナリ・ルート

・距離が短い (デリーから1000kmちょっと)

・高山病(途中の峠が5000m以上とか高低差が激しい)

・ガイドブックではだいたいこっちを紹介

・カーブが多い

・マナリの温泉

・政情や治安が比較的安定

・途中のタグラン・ラ峠は絶景

・レイブ・パーティー

・麻薬(大麻程度でも一服してバイクは危ない)

かなりざっくりした紹介でイメージしにくいだろうけど、

どっちが楽で安全で道が良いなんて比較は難しい。

基本的にどちらも未舗装や舗装の剥がれた道が多いし、特に開通初期は残雪や凍結してる箇所もある。

一般的な考えならば、こうした峠道をバイクで抜けること自体、どちらも危険って言われるレベルだろう。

だからおすすめはどっち?と聞かれても、何を第一にするかで答えは変わる。

ただ、出来るだけ早い時期に出来るだけ高山病のリスクを抑えてラダックに辿り着きたいというのであれば、

それはスリナガル・ルートという答えになる。

ならばJ&K州、最大の都、ジャンムーをまずは目指そう。


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