- Yusuke Miyata
ゾジ・ラ峠/Zoji La
まさに悪路。悪路中の悪路。
この時期のゾジ・ラは凄まじい。
未舗装の激しい急登と氷河から融け出した水が最悪の悪路を創り出す。
道には川と呼べるほどの氷河からの冷たい水が時に足をくるぶしまで。
そしてマフラーを完全に浸からせる。
頂上を抜けると美しい雪の回廊に入る。

美しい。
だが寒い。
峠を抜けると軍のエリアだ。
武装した兵士達にバイクを停めチェックを受けるよう促される。
バイクから降り地面を踏み締めようとするも足に感覚がない。
足が冷たさで完全に麻痺してしまっている。
1人の中年の兵士がオレの水浸しで泥だらけの姿で察してくれたのか暖かい詰所の中でチックを受けるよう促してくれた。
詰所の中でいくつかの簡単な質問を受ける。
Where you from?
これは国籍なのか今日どこから来たのかで迷うが状況的に前者だ。
オレは場を和ませるために同じ質問を兵士に返す。
Where you from sir?
中年の兵士は笑いながら答えた。
I'm LADAKH.
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